広島地方裁判所 昭和59年(わ)235号 判決 1985年1月17日
本店の所在地
広島県福山市草戸町一〇〇九番地の二
法人の名称
晝田工業株式会社
代表者の氏名
晝田弘三
本籍
広島県福山市草戸町一〇〇九番地の二
住居
右同町一一七八番地の一
会社役員
晝田弘三
大正一二年三月一五日生
右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官高橋雅夫出席のうえ審理をして、次のとおり判決する。
主文
被告人晝田工業株式会社を罰金一二〇〇万円に、被告人晝田弘三を懲役一年に、それぞれ処する。
被告人晝田弘三に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告法人晝田工業株式会社は広島県福山市草戸町一〇〇九番地の二に本店を置き自動車部品の製造販売業を営むもの、被告人晝田弘三は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括するものであるが、被告人晝田弘三において、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、同会社の昭和五六年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度の実際所得金額(確定申告所得金額に犯則逋脱所得金額一億四八一二万七五一七円を合算した金額)が四億一二三二万九二二二円でこれに対する法人税法額が一億六六九五万四〇〇円であるにもかかわらず、棚卸資産の圧縮、材料仕入の繰上計上、仮装修繕費の計上などの方法により右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五七年三月一日福山市所在の所轄福山税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二億六四二〇万一七〇五円でこれに対する法人税額が一億四七三万九三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税六二二一万一一〇〇円を免れたものである。
(証拠の標目)
一 被告人晝田弘三の当公判廷における供述
一 被告人晝田弘三の検察官に対する供述調書
一 被告人晝田弘三の大蔵事務官に対する質問てん末書六通
一 被告人晝田弘三作成の昭和五五年事業年度分の再修正申告書、昭和五六年事業年度分の修正申告書及び昭和五七年事業年度分の修正申告書の各謄本
一 川上伸二、晝田眞三の検察官に対する各供述調書
一 左の者の大蔵事務官に対する各質問てん末書
川上伸二(五通)、晝田眞三(二通)、柳井邦夫(四通)、渡辺聡(二通)、加藤克已(二通)、小野年幸(四通)、小林昭二(二通)、笹井政夫(五通)、内田浩二(二通)、佐々木好信(二通)、藤原博敏(二通)、朝比奈勝(二通)、妹尾紀行、八束裕
一 大蔵事務官作成の脱税額計算書及び「脱税額計算書説明資料」と題する書面
一 大蔵事務官作成の左の各調査書
期末棚卸額(製造原価)、材料仕入高(製造原価)、消耗品費(製造原価)、減価償却費(製造原価)、修繕費(製造原価)自社製作分製造原価、福利厚生費、事業税認定損、賃借料(一般管理費)、保険料、修繕費(一般管理費)、旅費、交際費、雑費、受取利息、雑収入、価格変動準備金繰入超過、雑損、交際費の損金不算入額
一 登記官作成の被告会社の登記簿謄本
一 押収してある昭和五六年度分確定申告書(昭和五九年押第二一六号の1)
(法令の適用)
一 被告会社
法人税法一六四条一項(一五九条)
二 被告人晝田弘三
判示所為 法人税法一五九条一項(懲役刑を選択)
刑の執行猶予 刑法二五条一項
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 中村謙二郎)